- 黒部市で流し台からコーヒーかすを流すことを推奨
- コーヒー粕から発生するガスは発電やボイラの燃料として使える
- 一部企業でもコーヒー粕などをメタン発酵させて、工場で使用するエネルギーの一部を賄っている
黒部市では、コーヒー粕と下水汚泥を混合処理することで、メタンガスを発生させ発電やボイラの燃料として使っています。
だから流し台からコーヒーかすを流すことを推奨しているのですね。
推奨しているのは黒部市だけです。他の所では推奨されていません!
排水溝から流すってどうやって?
流し方は黒部市のホームページで以下のように記載されています。
流し台から、配管が詰まらないように、洗い水といっしょに流して下さい。ディスポーザーが無くても、細かい(1~2mm)ので大丈夫です。下水管を通じて「黒部浄化センター」でバイオマスとして利用されます。もちろんペーパーフィルターは絶対流さないで下さいね。排水管が詰まり、ディスポーザーの刃も減ります。
https://www.city.kurobe.toyama.jp/attach/EDIT/036/036170.pdf
コーヒーかすが何で燃料になるの?
コーヒー粕は、炭水化物やタンパク質、脂質など、微生物が分解しやすい有機物を豊富に含んでいるため、メタン発酵に適した原料になります。メタン発酵するとバイオガス(メタンガス)が発生し、発電やボイラの燃料として使えるようになります。
メタン発酵とは?
メタン発酵とは、酸素のない状態(嫌気性状態)で微生物の働きによって有機物を分解し、メタンガスを発生させることです。
コーヒーかすはそのまま流して良いみたいですね。
さすがにフィルターは流しませんよね。
メタン発酵の具体的な流れ
- 前処理: コーヒー粕を細かく粉砕したり、加熱処理したりすることで、微生物が分解しやすくします。
- メタン発酵槽: 前処理したコーヒー粕をメタン発酵槽に入れ、嫌気性状態を保ちながら、一定期間発酵させます。
- メタンガス発生: 微生物の働きによって、コーヒー粕中の有機物が分解され、メタンガスが発生します。
- ガス利用: 発生したメタンガスは、発電や熱源として利用することができます。
コーヒーかすをメタン発酵に利用するメリットは
- 廃棄物削減: コーヒー粕を有効活用することで、産業廃棄物の量を削減できます。
- エネルギー創出: メタンガスをエネルギー源として利用することで、再生可能エネルギーの利用を促進できます。
- 地球温暖化対策: メタン発酵は、二酸化炭素の排出量削減にも貢献します。
メタン発酵を活用している企業
アサヒ飲料
アサヒ飲料では、廃棄物再資源化100%を維持するとともに、さらなる有効利用に向けた用途開発に取り組んでいます。例えば、北陸工場では「ワンダ」製造時に発生するコーヒー粕を、富士山工場では「十六茶」などの製造時に発生する茶粕を、肥料へとリサイクルするだけでなく、バイオマスエネルギーの原料として外部の施設へ供給し、さらなる有効活用を実現しています。
アサヒ飲料ホームページ
森永乳業
製造工程で発生するコーヒーかすや、コーヒー飲料、ヨーグルト等のバイオマスを再生可能エネルギーとして燃料化し、バイオマスボイラやメタン発酵設備を用いて蒸気を発生させます。工場内の未利用資源に着目し、これを有効に活用することにより、CO2排出量の削減が可能となります。
森永乳業ホームページ
まとめ
黒部市では、下水汚泥とコーヒーかすを混合処理することで、メタンガスの発生量を増やし、効率的なバイオガス発電を行っています。だからコーヒーかすを下水へ流すことを推奨しています。
また、アサヒ飲料や森永乳業などの企業では、コーヒーかすなどをメタン発酵させて、工場で使用するエネルギーの一部を賄っています。
このように、コーヒーかすとメタン発酵は、環境問題解決に貢献する有効な手段として、ますます注目されています。